忍峠12,004

忍峠12,004

シグレ「お前たち、フラクター選帝国帝国陸軍広報部から着任した、帝国陸軍広報部のジーン・ツヴァイ・セラミカ少尉と、カメラロボットだ。今後、我々は、カメラマンと行動を共にする。セラミカ少尉、自己紹介をしてくれ」

ジーン「行動シーケンス…間違えました。えっと、私は、ヤマト領からの要請で、みなさん、「忍び峠12」の芸能活動をフラクター選帝国の国威発揚の一環として、お手伝いします。こちらは、撮影ロボットのカメラ太郎です」

約一か月間、「忍峠12」は、ミュリンゲルン王国も含めた、大国ミドルン王国周辺の小国家の国々でパフォーマンスを行っていた。目指すは、中コモンの大国ミドルン王国の首都、浮遊都市ウダルの、「カワセミ館」のステージ!

現在、ポルントゥ王国。首都リスリスの深夜23時25分

ツバメ「やっぱり、忍者なんだね、私たち」

スズメ「ポルントゥ王国の内務省の秘密文章をデジカメで撮影したッス」

ルイ「高速の忍者走りキッツう。少しペース落としません?」

ツバメ「追われてるのよアタシたち」

スズメ「スピードを落としたら捕まるッス」

ルイ「ああ、息が上がってきた…」

ツバメ「お前は、いい加減に痩せろ!」

ルイ「遠回しに太っているって言っている。ツバメ殺す」

ツバメ「ルイ!スズメと一緒に忍者の自重筋トレをしているんだろう!」

スズメ「半年近く、忍者の修行をしていなければ、戻すのは大変ッス」

ツバメ「なんだ、あの空飛んでいる女は!また、あの女か!あの女が、現れると、いつも見つかるんだよ!」

スズメ「コモンは、ヤマト領よりも怪しい人物が多いッス。妖怪変化の巣窟ッス」

ルイ「相変わらず、空中で、サーフィンしていますね」

ツバメ「げ、グリフォン・ライダーの警備隊に、あの女追われている」

ルイ「私たちは、騎馬警邏隊に追われています。私、忍者走りで走るのが辛いので全員を口封じします」

スズメ「ダメッス。そんな理由で、追われているからって騎馬警邏隊を虐殺してはダメっす」

ツバメ「だから、ルイは痩せろ!お前は忍者なのにカロリー計算を考えずにコモンの美味い食い物を食っているだろう!」

ルイ「どうします?騎馬警邏隊は、どんどん集まってきて、百人近く追ってきています?」

ツバメ「スズメ、乱波家の忍術「壽壽眼を使え!」

スズメ「あれを使うと、視力が一時間ぐらい0.01まで低下するッス」

ツバメ「ルイと一緒に担いでいく。ルイ!何、食っているんだよ!ああっ、私がスズメを担いで運んでいくから使え!」

スズメ「判ったッス。「壽壽眼!開眼点睛!」ッス!」

突然追ってきた騎馬警邏隊の馬が足を滑らせて全員が巻き込まれて転倒して倒れてしまう。そして百人近くの騎馬警邏隊は全員転倒のダメージで動けなくなった。

ルイ「凄まじ過ぎ、これが、乱波家秘伝の忍術「壽眼」でも、噂では、一度使うと命に係るはずでは?」

ツバメ「スズメは特別だ!さあ追っ手は全滅した。スズメを担いでシグレ様の所に戻るぞ」

スズメ「ううっ…眼がよく見えないッス」

ツバメ「スズメを担ぎながら忍者走りをするのも慣れているから、任せろ」

場面は変わって。ポルントゥ王国の下町の旅館「スーラスーラ」。

シグレの前に、スズメ、ツバメ、ルイが集まっていた。

ジーンは、いなかった。

シグレ「「忍峠12」は、現在、コモンでは、少し知名度が広がってきた。ミュリンゲルン王国で、お前たちのファン・クラブが出来たようだ。女性の方が多いファンクラブだ。フラクター選帝国が独占的に提供しているSNS「LinkersPal」では、お前たち「忍峠12」は、かなり話題になっている。ルイが、アドリブで言った事でウケが取れたようだ。「彼女たちは、本物の忍者なのか?」という話題だ」

ルイ「ヤッター!ルイちゃん、お手柄!」

ツバメ「自分で言うなルイ」

扉が開いた。

ジーン「皆さん、ただいまです」

スズメ「あ、ジーンが帰ってきたッス。こんな夜更けに何をしていたッス?」

ツバメ「なんか、自分が可愛いからって自惚れていない?ジーン」

ルイ「お人形さんみたいだから、髪の毛を梳かそうか?」

ジーン「キモイから止めてください。自分のブラッシングは、自分で、できます。私は、帝国陸軍の広報部の仕事をしています。それが仕事です」

シグレ「確か、今日も、カメラ太郎と一緒に、リスリスの夜景の撮影に行ったようだな」

ジーン「ええ、そうです。美しい夜景です。「忍峠12」の仕事の他に、フラクター選帝国陸軍のPR用の写真や動画を撮影しています」

シグレ「そうか。では、ジーン。何度か打診をしているが。「忍峠12」に加入をしてくれないか?コモン人の女性がメンバーに加わったほうが、「忍び峠12」に人気が出ることは間違いないだろう」

ジーン「行動シーケンス…え、ダメですよ。私は、運動神経が皆さんのように良くないから、フラクター選帝国帝国陸軍で、広報課に務めているんですよ」

ツバメ「確かに、アタシ達、忍者は、体育の偏差値だけが70オーバーだけれど。他の教科は基本的に偏差値28だからね。ルイはコモンの共通語が得意だけれど」

ルイ「私だって、コモンの共通語の偏差値は高くないですよ。私の共通語の偏差値は53です。本当もっと共通語が上手くなりたいんですよ」

スズメ「大丈夫ッス。ジーンも踊ればいいッス。一緒に教えるッス」

ジーン「行動シーケンス…でも、踊りの才能は無いんですよ。歌も下手ですし。ですから、わたしは、皆さんをサポートする事が仕事です」

ツバメ「でも、踊りが下手な子が居たほうがいいかもね。「LinkersPal」では私たちの踊りが上手過ぎて、気味が悪いとか、書いてあったし」

ジーン「行動シーケンス…私にグズで、ドジで、ドベな、かわいそうな、皆さんの引き立て役をしろと言うのですか?」

ルイ「確かに、健気なジーンが鬼嫁のツバメにイジメられているシーンを「LinkersPal」で流したら、ジーンに爆発的に同情が集まるでしょ」

ツバメ「ルイ、その設定は、なんなんだよ!せめて鬼コーチにしろ!」

シグレはテーブルの上の菓子皿からエクレアをとり上げた。

シグレ「ジーン」

シグレはジーンめがけて、エクレアを投げた。音速を超える音がした。ジーンはハッとした顔をしながら、エクレアを腕で跳ねて避けた。

そしてジーンは背後にバック中をして身構えた。

ジーンが跳ね除けたエクレアはルイが受け取っていた。

ルイ「ああっ、もったいない、シグレ様、食べ物を粗末にしては行けません。私が食べますムシャムシャ。走っているからカロリー補給が必要ですよね」

ツバメ「こんな時に食うなルイ!ジーンのあの身体能力は、おかしいだろう!」

スズメ「確かに、シグレ様の手裏剣投げの速度は音速を超えるマッハ1.27ッス。忍者でも避けるのは困難ッス」

シグレ「ジーン・ツヴァイ。お前は、フラクター選帝国の元老院から送り込まれたスパイだな」

ジーン「(笑顔のまま)行動シーケンス…え、何のことでしょうか」

シグレ「ヤマト領の忍者をナメるなジーン。既に身分照会を行った。確かにフラクター選帝国陸軍には広報課がある。そしてお前も、そこに書類上は在籍している。だが、お前の勤務記録は捏造されていた。ジーン・ツヴィ。お前はクローン人間だな」

ジーン「ばれましたか」

睨み合うジーンと、シグレ、スズメ、ツバメ。エクレアを幸せそうな顔で食べているルイ…。

次回「ジーンの秘密。そして、新メンバー、ジーン・ツヴァイ加入!」

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